「落第生」って呼ばないで

昨日付けの地元紙に、盲導犬育成学校で生まれた育った一部の犬たちが、糖尿病の症状を探知する犬として活躍している様子を伝える記事が一面に。リンクはここ。写真に写っている子どもさんとわんこの笑顔がとってもかわいいので、写真、ぜひ見てくださいね。私は、ぴーちすが「ラブラドールスマイル」でにっこりしている写真が撮れず、いつも他の人の撮影したラブラドールスマイルを見ては「いいなあ、かわいいっ」と思っています。



ところで、盲導犬育成学校で生まれた犬たちが、盲導犬以外の分野で活躍しているのはこれが初めてではありません。捜索救助犬、特定のにおい(爆発物、薬物、がん、それに糖尿病など)を探知して人間に知らせてくれるなどなど。



さまざまな場で活躍しているわんこたちがメディアに取り上げられるのは、とても嬉しいことです。でも、今回の見出しは少し残念でした。見出し中、これらの犬たちについて「盲導犬に成れなかった」とほとんど否定的に聞こえるような言葉が使われていたからです。盲導犬育成学校では、盲導犬にならなかった犬たちを「キャリア・チェンジ」と呼んでいます。そして、「落第生」、「落ちこぼれ」といったニュアンスを持つ言葉は、私がキャンパスにいた限り、聞いたことがありません。盲導犬になるべくして生まれてくる犬たちのうち、実際に盲導犬として活躍する犬は限られています。個別の犬の性格、健康状態などがその理由。盲導犬としてのキャリアを築く犬というのは、色々な理由からとても特別で「盲導犬に適した」犬であることが求められるからです。



でも、だからといって「盲導犬に適さなかった犬」が、「落第生」かというとそうではない、というのが私の意見。盲導犬育成学校出身で、盲導犬以外の仕事を持つ犬たち、それにペットとして暮らすわんこ達と「キャリア・チェンジ」のわんこの「キャリア」は多種多様。でも、それぞれの個性にあった場で、楽しく、充実した暮らしを見つけられれば、それが一番じゃないかな。と思うのです。



読んでみてから、「あら、ちょっと力が入りすぎちゃったかなー」とも思ったのですが...。でも、「大好きな犬のことだから、力が入るのも仕方ないもん」と、言い訳したり。